PROLOGUE プロローグ
日本の開国後、外国の蒸気船の燃料として石炭の需要が高まったことを受け、スコットランド出身の貿易商トーマス・ブレーク・グラバーは佐賀藩と共に、長崎港外に浮かぶ高島で炭鉱の開発を開始しました。
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国内近代炭坑発祥の島、高島
長崎半島の西沖合に位置する高島では、18世紀頃から採炭事業が始まりました。 |
かつて、多くの人々が端島に夢を追い求めた。
端島は長崎港から南西約18kmの海上に浮かぶ小さな島です。本来南北約320m、東西約120mの岩礁の島でしたが、本格的な近代炭坑としての開発が進み、炭鉱の発展とともに島周囲が段階的に埋め立てられ、南北に480m、東西に160m、面積にして約3倍の広さに拡張されました。最盛期には5千人を越す人たちが生活しており、当時の東京都区部の9倍もの人口密度に達しました。高い護岸で囲まれ、煙突から煙を吐くその外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになりました。 |